On The Board -アンチ自己啓発 -

-成功法則に翻弄されて、"自分"を見失わないために。"偽り"を見抜くための思考を提案するブログ- 特集 イジメについて

7."小遣い"とどう向き合うか?

(…続き)

子供と融和するためには、
大人が子供にとって、
都合のよい条件が提示できればよいのだ。

例えば、
小遣いを多く与えるとか、
欲しがっているものを買ってやるとか、
子供部屋に鍵をつけるのを認めるとか、
子供のやること全てに賛成するとか、

さて、大人の中には、
このような条件を提示しては、
子供がダメになってしまうのでは?
と思う人もいると思う。

これは、特に難しい話ではない。
こんな夢のような条件なら大人ですらダメになる。

泉のように財産が湧き出してきて、
それが全て使い放題で、何をしてもいい人生…

ありえない。

大人ですら、手に入れることが出来ない人生を
子供に与えることなど出来るわけはない。

それは、子供がダメになるか、どうか
という問題以前にそんな心配をする必要もない。
その前に、その環境を維持することはできないだろう。
(あなたが、一握りの大金持ちなら話は別だが)

では、子供にとって現実的で都合のいい条件とは何だろう?

ビジネスに置き換えて考えてみれば、気が付くと思うが、
大人たちが、日常的に行っていることだ。

営業マンは、顧客にいい条件を提示して、
商品を買ってもらうだろう。

プレゼンターは、一生懸命、自社製品のメリットを説明して、
会議出席者の納得を得ようとするだろう。

と言っても、自社製品をタダで供給したり、
赤字をみすみす受け入れたりはしない。

お互いが、納得できる条件を日々模索している。

それが "現実的で都合のいい条件" というやつだ。
別に目新しいことではない。

しかし、ビジネスの局面と、
子供に接することとは、状況が違うと言うかもしれない。

そこで、"援助交際" について考えてみよう。

"援助交際" とは、子供の世界に属するのか、
大人の世界に属するのか?

どちらでもない。
そもそも大人の世界と子供の世界との間には
"境界" などというものは無いのだ。

ただ、ここには、
ビジネスと同じように取引関係が成立しているということ、
そして、それは、違法であるということ、のみが明らかだ。

では、少し視点を変えてみよう。

街角に立っている女子高生がいる。
そこに、中年男性が近づいて、援助交際の交渉に入る。
交渉は成立し、二人は、街の雑踏の中に消えていく。

この "援助交際" というものの一部を、
ちょっとだけ別のものにすり替えてみよう。

例えば、
近づいてきた男性が、もし、父親ならどうだろう。
そして、
父親は、中年男性が渡すはずだった同じ額の "小遣い" を
その女子高生に渡し、
性交渉の要求ではなく、家出の理由を聞いたとしたら。

援助交際と同じように取引関係ではあるが、
もはや、家族の絆を修復する小さな一歩になっている。

もし、娘が理由を話したがらないなら、
交渉は決裂したのだ。
つまり、金銭だけでは、それに合意できないというわけだ。
そこで「家に戻れ」とは言わないことを約束したらどうだろう。

さて、今度は、
なんとか理由を聞き出したことで、
始めて "家に戻りたくない原因" 分かったとする。

それは、
二度目会うときに "家に戻りたくない原因を取り除く"
という金銭ではない、
新しい条件を提示することが可能になるということだ。

ビジネスにおいても、
価格の安さだけが説得材料ではないのと同じである。
もし、それだけならば
ビジネスは価格競争だけの世界になっているはずだ。

プロセスは同じである。

子供を金銭で惹きつけておくという行為に
多分、大抵の大人は、難色を示すだろう。
子供との取引に金銭を使うことで、薄汚れた感がある。

上のケースでは、最初は "小遣い" を使って、
娘から家出の理由を聞き出した。
つまり、父親は、
"小遣い" と "家出の理由" をトレードしたのだ。
ここでは、金銭が絡んでいるので、
まだ、汚れた感じがある。

次は、
"小遣い" + "家に戻れと言わない" という条件と
"家出の理由" をトレードする。

その次は、
"家出の理由を取り除く" と
"家に戻ること" とをトレードする。

この時点で、娘と父との取引は、
親子関係として、
何ら不自然ではないやり取りになっている。

他に "小遣い" と
"毎週、電話で元気な声を親に聞かせること"
とのトレードなら
それは単なる仕送りである。

母親と幼児の間にもその関係は成立している。
"授乳する" と "命を繋いで存在する" のトレードだ。
幼児は空腹を解消でき、
母親にとっては、幼児が存在することだけでメリットになる。

"トレード" はどこにでも存在する。

金や、ビデオゲームで、子供の注意を惹くという行為は、
こういった良好な関係を気づくための手段の一つに過ぎない。
それ以上でも以下でもないのだ。

問題なのは、金や、物を与えるだけで
全てを解決しようとする子供を軽んじた態度である。

娘が本当に欲しがっているものは、小遣いでなくて、
父親の「俺が悪かった」という一言かもしれないのだ。

それから、勘違いしてはならないのは、
トレードは簡単に行えるものではない。

それは、
仕事を得るために何度も顧客の元に足を運んで、
信用を築こうと、不断の努力を続ける、
営業マンを見れば分かるだろう。

(続く…)

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